アイアンロードと鉄の歴史

1月13日のNHKスペシャル「アイアンロード」。大変見応えのある番組でした。

西アジアから日本列島まで各地に「鉄」を伝えた道が「アイアンロード」と称されているそうで、番組はその道を丹念に辿るという内容でした。

https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20200113

(NHKオンデマンドで今から視聴することも可能です)

 

「シルクロード」には馴染みがありますが、「アイアンロード」なんて初めて聞きました。ですが、人間の手で鉄が作り出され、それが各地に伝わり、農機具や武器となって、その社会に大きな影響を及ぼしていく。そんな過程が描き出されると、いまや生活に欠かせないものになっている鉄がどのように世界中に伝わっていったのかに興味がわきました。

 

番組では、鉄が様々なかたちで社会に影響を及ぼしていたことを描き出していました。和平を促す「交渉品」となったり、異文明を結ぶ「交易品」となったり。鉄が貴重品であるうちは、鉄そのものが価値を持って流通していたのです。

その後、鉄の製造が拡大すると、より人々の生活に根差した利用がなされることになります。鉄を用いた馬具を生むことで「移動革命」を起こし、工具に使用されることで「芸術革命」を導き、農機具でも利用されることで「生産革命」を起こしたのです。

そのひとつひとつの事象は世界史の教科書でも読んだような記憶がありますが、こうして「アイアンロード」というように地理的に結び付けて見てみると、鉄の歴史も点が線となってつながっていきます。

 

この後、NHKのBS4Kでは、2回シリーズで「アイアンロード」に関する番組が放送予定です。

2月7日(金)夜10時~

2月14日(金)夜10時~

 

さらに、NHK総合の人気番組「歴史秘話ヒストリア」でも2月12日(水)の回に、「ニッポン鉄物語」と題して、鉄の歴史が取り上げられます。

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/46/2586175/index.html

 

NHKでは、鉄月間といったところでしょうか。

日常生活の中で当たり前のように使われている鉄。それがどのように製造され、使用されるようになったのか。その歴史をあらためて振り返る良い機会のような気がします。