コロナ禍は様々なところに影響を及ぼしています。経済活動という観点からは、その影響はマイナスのものが多いかもしれませんが、プラスの影響があるところもあるようです。
先日、そのひとつと思えるニュースを目にしました。
巣ごもり需要やアウトドアでのカセットコンロの利用増で、家庭用カセットボンベの販売が伸びているとのことです。そこで、岩谷産業は、これまで外部から調達していたガスボンベの空缶を自社で内製化することに切り替えるというのです。
同社は年間最大7000万本のカセットボンベを生産しており、新設の製缶工場もそれに対応できるように年間7000万本の缶の製造能力があるとプレスリリースには書かれています。
岩谷産業株式会社広報部「カセットボンベ製缶工場を新設」
岩谷産業には、カセットボンベ製造工場がありましたが、ガスボンベの製缶工場も自社内で稼働することで、製缶からガスの充填・商品化まで一貫した生産体制を確立しようというのです。
製缶大手の東洋製罐グループHDから中小の製缶工場まで、製缶業界から見ると、今回の岩谷産業が行ったような製缶の内製化は気が気ではないことかもしれませんが、「脱プラスチック」の流れの中でスチール缶が見直されており、その利用が拡大するのは好ましい事態でしょう。
鉄は環境に優しい資源ですので、缶もどんどん作って利用して、そしてリサイクルしたいですね。